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高精度クロノメーター

ロレックスの独自基準、高精度クロノメーター

COSC(スイスクロノメーター検査協会)の検定に合格したムーブメントのみが、その文字盤にその旨を表記することが許されるスイスクロノメーター認定は、腕時計の精度の信頼性を示す基準の一つです。

ロレックスでは創業当初より積極的に認定を受けていて、現在その取得数は他社を圧倒しています。

しかし、一方でパテック フィリップやグランドセイコーなど、COSCよりも厳格な独自基準を設けて差別化を図るメーカーが増えてきました。

こうした流れを受けて、ロレックスでも2015年より『高精度クロノメーター』という独自の社内規格を設けています。

テスト内容については明らかにされていませんが、大きく異なる部分の一つが精度誤差の厳格化です。

COSC認定が平均日差-4~+6秒(直径20mm以上)以内としているのに対し、ロレックスの高精度クロノメーター基準では±2秒以内と、より厳格な基準となっています。

二つ目の違いが、高精度クロノメーター基準では、ケーシング後(製品となる直前の状態)に更に検定を行っていることです。

COSC検定はムーブメントが対象ですので、実際に使用する際に、どちらの検定の方が信頼性が高いかは言うまでもありません。

またケーシング後に検査する子になったことで新たな検査項目も加わっています。

その一つが防水検査で、保証する防水性能+10%以上の水圧で検査が行われています。

 

こうした厳格な社内規定を設ける一方、これまでどおりCOSC検定を受けています。

これは実質的なダブルチェックと言えますので、ロレックスに対する信頼性はこれまで以上に増したと言えます。

しかも、ロレックスの凄いところは、この高精度クロノメーター基準を全ての現行モデルに適用させているというところです。

 

高精度クロノメーター基準によるケーシング後に実施される主な検査項目

【自動巻き検査】

ケーシングの際に自動巻き機構の巻き上げ部品につまりや摩擦が生じていないかが独自の方法で検査されています。こうした一連の検査はハイテク設備によって完全自動化されています。高精度クロノメーターモデルは、メーカー保証期間がこれまでの2年から5年に延長されています。ロレックスの自社製品への自信の表れと言えます。

【防水検査】

文字盤などに表記される、保証された推進に留まらず、+10%の水圧にさらして防水性能を検査しています。さらにダイバーズウォッチの場合の検査は+25%の水圧まで引き上げられます。

【パワーリザーブ検査】

検査開始時にゼンマイを完全に巻き上げ、どのくらい時間が経過したら停止するのかを測定しています。各ムーブメントの仕様に沿ったパワーリザーブが保持されているかを実際に行って検査します。ロレックスは高精度クロノメーター基準の導入によって、文字盤に記された”SUPER RLATIVE(最高の)”の文字の正当性を証明しました。

【精度検査】

ロレックスはかつてCOSC認定を受けないモデルも展開していましたが、現在では全てのモデルでCOSC認定を受けています。COSC認定を受けたムーブメントをケーシング後、自社内で独自に行う検定をパスした個体のみが高精度クロノメーター認定という称号を得て流通します。高精度クロノメーター基準は±2秒以内というCOSC検定の2倍以上という厳格な規定となっていますが、その検査では着用時の7つの静止姿勢時と回転時の精度が24時間サイクルでチェックされています。

 

現時点では高精度クロノメーターモデルを示す特別な表記は用いられていないため、個体を見ただけでは従来のモデルとの区別はつきません。

ただ、タグが変更されていて、中央部分がホログラム仕様となったグリーンシールが付属するのが高精度クロノメーターモデルの証となっています。